日本における現状(国民の健康と医療を担う漢方の将来ビジョン研究会)
フアイアは日本では自生していませんし、栽培もできません。また中国の工場で菌糸体から製造されるフアイアは食品として輸入されています。日本ではこのフアイアは漢方薬や生薬という扱いではありません。
日本東洋医学会と日本漢方生薬製剤協会の両団体が中心となり、特定の製薬会社とは無関係に将来の漢方を見据えて2016年に、「国民の健康と医療を担う漢方の将来ビジョン研究会」が立ち上げられました。そして2017年3月に提言書を作成しました。その概要は以下です。
提言1 がんの支持療法および高齢者のフレイルに対する医療における漢方製剤等の必要性
◆ がん支持療法、高齢者のフレイルに対して、漢方製剤は必要不可欠である
提言2 漢方製剤等に係る研究の推進
◆ がん支持療法・高齢者疾患に対する漢方製剤のエビデンスを加速化する
◆ 医療保険財政において非常に重要である医療経済学的研究の推進
◆ 新規領域・疾患への応用研究(化学療法や手術後の投与方法等の研究および臨床試験)
◆ 研究支援体制の構築と研究費支援が必要
◆ エビデンスに基づき診療ガイドラインに漢方が掲載され、治療上において推奨されることが必要
提言3 漢方製剤等の品質確保と安定供給に向けた取り組み
◆ 多成分系医薬品である漢方製剤等に関する「リポジショニングや新剤型等のための品質保証および承認申請に資するガイドライン」の整備を目指す
◆ 原料生薬の安定確保に向けた国内栽培を推進する
提言4 医療保険制度における位置づけ
◆ 基礎的医薬品として位置づけ、薬価の安定化策を講じる
提言5 日本オリジナルの薬剤(Made in JAPAN)である漢方製剤の海外展開の推進
◆ アジアをはじめ世界に発信し国際展開を推進する
提言6 産官学・国民との連携
◆ 漢方製剤等の課題解決にあたっては、産官学・国民が連携し、多くの国民(患者)に内容を公表・説明しながら進める
和漢(日本の漢方)が将来の存続をかけて取り組むべき課題です。そして、これを実践しないと和漢が日本の保険診療から除外される可能性が高いのです。
中国のフアイアは上記提言のほぼ全てを達成
一方で中国のフアイアは「国民の健康と医療を担う漢方の将来ビジョン研究会」の提言のほぼすべてを既に達成しています。
提言1「がんの支持療法および高齢者のフレイルに対する医療における漢方製剤等の必要性
◆ がん支持療法、高齢者のフレイルに対して、漢方製剤は必要不可欠である
⇒ 肝臓癌に対するフアイアの有効性を確認し、2018年11月にGUTに掲載される。
提言2 漢方製剤等に係る研究の推進
◆ がん支持療法・高齢者疾患に対する漢方製剤のエビデンスを加速化する
⇒GUTの論文でエビデンスを確認済み
◆ 医療保険財政において非常に重要である医療経済学的研究の推進
⇒フアイアの使用で医療費が節約できるかに関しては現在解析中
◆ 新規領域・疾患への応用研究(化学療法や手術後の投与方法等の研究および臨床試験)
⇒フアイアの自己免疫疾患、腎炎、喘息、皮膚疾患での研究が進行中
◆ 研究支援体制の構築と研究費支援が必要
⇒フアイアは産官学の連携で製品化された
◆ エビデンスに基づき診療ガイドラインに漢方が掲載され、治療上において推奨されることが必要
⇒肝癌に患者には当然に使用されており、また以下のガイドラインや教科書に掲載されている
国立健康家族計画委員会2017年版原発性肝癌診断および治療基準、
2018年中国臨床腫瘍学会(CSCO)原発性肝癌診断および治療ガイドライン、
2018年中国肝細胞癌経動脈化学塞栓療法臨床診療ガイドライン、
2014年肝癌MDTチーム設立集学的治療に関する専門家の合意、
癌の緩和治療のための2013年の伝統的な漢方薬の使用に関する専門家の見解、
漢方薬における肝臓癌の診断と治療に関する2007年のガイドライン、
医科大学5年生の教科書である第7版/第8版「外科」
提言3 漢方製剤等の品質確保と安定供給に向けた取り組み
◆ 多成分系医薬品である漢方製剤等に関する「リポジショニングや新剤型等のための品質保証および承認申請に資するガイドライン」の整備を目指す
⇒中国では西洋医学と同じ品質保証(GMP基準)と承認申請方法を採用
◆ 原料生薬の安定確保に向けた国内栽培を推進する
⇒菌糸体から製造しているので、工場外での自生品の採取や栽培品の収穫を必要としない。日本の漢方メーカーの工場と同じ規模のものが4カ所あり、すべてフアイアを製造している。工場内ですべて、製造工程が終了する
提言4 医療保険制度における位置づけ
◆ 基礎的医薬品として位置づけ、薬価の安定化策を講じる
⇒肝臓癌に対して6ヶ月は保険適用
提言5 日本オリジナルの薬剤(Made in JAPAN)である漢方製剤の海外展開の推進
◆ アジアをはじめ世界に発信し国際展開を推進する
⇒これからフアイアは世界展開される
提言6 産官学・国民との連携
◆ 漢方製剤等の課題解決にあたっては、産官学・国民が連携し、多くの国民(患者)に内容を公表・説明しながら進める
⇒フアイアは産官学の連携で開発された