このページでは、医師の方に向けて、患者様からフアイアの使い方についてお問い合わせがあった場合の参考になる情報を記載します。

1.フアイアの効果について

1−1.フアイアはどんな「がん」に効果があるのですか?

2018年に専門誌GUTに掲載されたフアイアのエビデンスは「肝臓がん手術後の無再発生存率」で約13パーセント、フアイア服用群の方がよかった、というものです。2020年1月現在、漢方薬、健康食品またはサプリメントで1000例規模のRCTで有意差が出たのはこの1論文のみですから、「肝臓がんには効果がある」ということが言えるでしょう。

これ以外にもいくつものフアイアの大規模臨床研究が現在進行しています。大腸がん、乳がん、肝臓がん、そして非小細胞肺がん、閉塞性黄疸などです。非小細胞肺がんと乳がんは現在二重盲検臨床研究で進行中です。

in vivoとin vitroのレベルではこれまでに「乳がん」「胃がん」や「白血病薬の効果増強」などさまざまな領域で研究発表が行われています。

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フアイアの抗増殖作用

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フアイアの抗転移作用

詳しくは第57回がん治療学会学術集会で医師の方に配布した資料をご覧ください。

1−2.フアイアは「がん」以外にも効果があるのですか?

どうやらフアイアは、免疫系に作用すると考えることができそうです。「乾癬」の改善に効果があったという人の症例での研究、「アドリアマイシン誘発(IgA)腎症からの保護」などの研究発表があります。「がん」も部位によって原因が異なるのではなく、そのほとんどは同じです。免疫系がおかしくなってしまうことで起こる様々な病気にフアイアが効果を表す可能性があります。中国でのフアイアの兄弟製品フアイキフォン(フアイア+黄精+枸杞子)は、小児喘息、白血病、腎機能障害に対して効果が認められ、これも医薬品の承認を受けています。

1−3.フアイアはがん細胞にどのような作用を起こすのですか?

フアイアのがん細胞に対しての作用メカニズムはまだよくわかっていません。しかし、中国の原材料メーカーのウエブサイトでは「再発と転移を防ぐ」ことがフアイアの強みであると書いています。

それによると、 フアイアの重要な役割は「腫瘍幹細胞を正常の幹細胞に戻すこと」であるとしています。がん幹細胞は正常な幹細胞に生まれ変わり、これにより腫瘍の再発と転移を防ぐことが期待できるとのことです。がん幹細胞が腫瘍の再発と転移の原因であると広く信じられていますが、現在、すべての薬物と方法はがん幹細胞の再発と転移の根本的な治療になっていません。また、近年発売されている分子標的薬等もこの効果を証明していません。フアイアは「肝臓がんの根治的切除後に効果が証明された世界初の漢方薬」であるとしています。

悪性腫瘍の発生と再発、転移のメカニズムは、がんによって大きく異なるものではありません。加えて、フアイアには複数の作用機序が協働的に働いている可能性があるので肝臓がん以外の他のがんにも同様に効果を表すことも期待できます。

1−4.フアイアを飲めばがんが治るのですか?

医師が「効果がある」とするものと、患者さんが「効果があった!」として喜ばれるものには若干の温度差があります。GUTに掲載された肝臓がん手術後の比較研究では、96週後までの無再発率はフアイア投与群で62.39%、一方非投与群では49.05%でした。その差は約13%です。つまり、「フアイアを投与した方が投与しなかったよりも13%よかった」ということなのです。これは医者や研究者の常識では明らかな差=有意差となります。医師はこれで「効果がある」とします。実は、多くの抗がん剤もこの程度の差なのです。

つまり、フアイアだけを飲んで、がんが消失する可能性についてはあまり期待できないでしょう。ただし数千人に一人はそうなる方もいらっしゃるでしょうし(それは他の治療法も同様)、まったく効果がなかった人もいるでしょう。「副作用がほとんどないし、標準治療並みのはっきりしたエビデンスがあるので、飲まないよりも飲んだ方がいい」という認識でいることが大事です。

1−5.フアイアの効果はいつ現れますか?

個人差がありますが、三ヶ月から半年間は続けていただきたいと思います。一年続けて効果(腫瘍マーカーの低減やQOLの改善等)がなければやめられるのも方法です。

1−6.フアイアには抗がん剤の副作用軽減効果はありますか?

まだわかりません。医師の方にはぜひお使いいただき、症例の情報をお寄せください。

2.フアイアの用法・用量について

2−1.フアイアは一日どれくらい飲めばいいですか?

まず3グラム、がんが心配なら6グラム、がんが残っていれば20グラムが一応の考え方です。

がんと共存している方、がんが残存している方はフアイアを一日20g、手術をして間もない方または半年から一年程度の方は一日3g~6g、一年〜五年間がんの再発徴候がみられない方は一日3g~6gを目安にしてください。一日3倍量までは大丈夫だと思いますので、心配な方はご自身の意思で増量なさってください。

プロトコルの一例としては、

A) がんが大きくて手術できない方

一日20gをがんが小さくなるまで。手術で切除したら、術後半年まで毎日6gか20g。半年後から六ヶ月(手術から一年)は一日3gか6g。再発の心配がなくなるまで一日3g。

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B) がんの手術をされたばかりの方

術後半年くらいまで一日6gか20g。その後、半年間は3gか6g。本人の希望により、再発の心配がなくなるまで一日3g。

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C) 数年前にがんの手術をして現在は再発していないが、心配のある方

本人の希望される期間まで一日3g。

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2−2.一日に複数回に分けて飲んでも大丈夫ですか?

大丈夫です。例えば6gを3gずつ一日2回、20gを5gずつ一日4回に分割して服用します。そのような飲み方でも大丈夫です。

2−3.飲むタイミングはいつがベストですか?

漢方の考え方では、他の食品の影響を受けにくい「食前」「食間」がいいでしょうが、フアイアは単剤で効果が出ているため、食後でも構いません。飲み忘れた、と思ってもその時に飲まれることで大丈夫です。

3.西洋医療との共存について

3−1.フアイアは他のお薬(漢方薬を含む)と一緒に飲んでも大丈夫でしょうか

大丈夫です。

3−2.標準治療を放棄してフアイアだけに頼ってもいいでしょうか

フアイア研究会に所属する医師はすべて西洋医であり、エビデンスのある標準治療に従事してきました。2020年1月時点では、フアイアは標準治療の補助的役割を果たすものと考えます。現実の臨床においては医師の方自らの判断を尊重してください。

4.フアイアの副作用について

4−1.フアイアの副作用にはどのようなものがありますか

GUTに掲載された研究結果(一日60gを服用)では、下痢の発生が若干多かったとのことです。それも686例のうちの35例、5%であり、コントロール下のAEsにおける6例、1.9%と比較してわずかに多いというレベルです。

漢方薬はそもそも下痢が多いお薬です。これは効いている証拠とも考えられます。便秘のほうが漢方医療の敵であり、なんとかしたい課題です。フアイア服用者の方でも我慢できる程度の下痢であれば目をつぶっていただきたいと思います。

それ以外に副作用を感じられることがあれば、迷わず中止で構いません。実際には下記の表の通り、コントロール群(フアイア非服用群)でも闘病中はなんらかの症状が出るものです。フアイアの魅力はエビデンスで立証された効果があるのに、抗がん剤のような強い不快な副作用がほとんどないことだと考えられます。

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フアイアの副作用。下から二行目Diarrhoeaが下痢

5.中国でのフアイアについて

5−1.中国ではフアイアはどのように利用されているのですか

中国ではフアイアは抗がん新薬として認可され、そして肝臓がんには少なくとも6ヶ月間は保険適用されています。フアイアの中国での登録商標は金克で中国語の読み(ピンイン)はJinkeです。薬登録番号はZ-20000109です。

フアイアを使用している医師の8割は西洋医です。生薬製剤にも関わらず、中医師(日本でいう漢方医)はあまり使っていない状況です。つまり、西洋医が西洋医療の考え方で使用している医薬品であると言えるのです。西洋医療の考え方では脈診や腹診は必要ありません。シンプルに「悪性腫瘍の選択肢としてフアイア」があるということです。

5−2.原材料が中国産ということですが大丈夫でしょうか

中国は高度に発展しており、東京大学以上の大学が2つはありますし、それに準ずる大学も日本以上に多い状況です。医療も進んでおり、医薬品の製造管理においては日本と同レベルの品質環境にあるといえます。

日本に入ってくるフアイア顆粒の原材料は、中国の医薬品メーカーで医薬品と同じラインで製造されています。工場は世界基準のGMP認証を取っていますので安心できると断言できます。

フアイアの菌糸体は完全な人工培養で品質が均一に保たれています。

5−3.GUTの掲載論文は信頼に値する?

医学の論文誌GUTは、大変権威のある専門誌です。インパクトファクターは17.943(2018年)です。研究者としてはインパクトファクターが10以上ある専門誌に論文が掲載されることは、一つの大きな目標です。生涯に数点掲載されれば大変な名誉になります。

フアイアの肝臓がんの研究は、開始前に米国のClinicalTrials.govに登録されました。当初はダブルブラインドのRCTで登録されましたが、真薬と同様の偽薬を作ることができなかったためにRCTに修正されました。

この手順を踏むことで、「あとから都合の良いデータだけを抜き出してあたかも効果があるように偽装する」、ということができなくなります。

論文掲載にあたっては、GUTのほうで5人によるスペシャリストが査読しています。その研究に疑義が生じると、GUTの権威が失われることになります。完全に信頼できる研究結果であると言えるでしょう。

6.医療機関向けご説明資料

医師の方に向けての説明資料を作成いたしました。

ダウンロードはこちらから(PDF資料 約1MB)